にちぶん名物コラボ授業

水曜日の1・2限は1年次生を主対象とした「日本文学史」の授業が開講されていますが、同時間帯に2年次生を主対象とした「日本文学概論」の授業も開講されています。それぞれ担当の志水先生と助川先生は、ときどきコラボ授業をしています。

つまり両方の履修生を一緒した教室で、二人が掛け合いで講義をします。

「文学史」というのは時間の流れの上に日本文学の作品を置いて位置づける講義です。いわば時間軸に即して作品の形や中身の変化をたどる授業です。

「概論」というのはそれらうつろいゆく作品の流れを変わらずに貫く日本文学を作り上げる要素をとりあげて日本文学について考える授業です。

だから両者を合わせると、日本文学についてその歴史の中で変わるものと変わらぬものの両面を考えることができます。だかこそ文学史を1年次で時代別に作品に関する情報として学び、その情報をふまえて概論を2年次で学ぶように授業設計してあるのですが、

各学期に一回は両者を直接ぶつけあおうという企画でコラボ授業がおこなわれています。

 

今学期も今日、コラボ授業が行われましたが、いつもとは違って100分授業ということもあって、100分を前半Aパート45分、後半Bパート45分と分けてそれぞれが、同じテーマで語る形で行われていました。今回のテーマは「うらしまさんとかぐやひめ」。

おはなしの内容は、「異郷訪問譚の面白さ」。

大国主神の神話や、すでに奈良時代には成立していた浦島の物語、物語の出で来始めの祖(おや)と言われた『竹取物語』、さらには『千と千尋の神隠し』まで幅広く異郷訪問譚をとりあげて、作品の設計図を見抜くのが得意な志水先生と、心理分析を得意とする助川先生とが、いかに相棒と違うことをいうか、で競い合ったみたいです。

 

大学の授業は「真実は一つ」なんてことはいいません。

「人が違えば見方が違う」のは当たり前。

ひとつのテキストを多角的に照射します。

それを直裁に示す授業となりました。