高輪校舎で古事記学会

 大学の教員は教室で教えるほかに、専門分野について研究をしなくてはなりません。つまり「研究者」です。

それぞれの研究成果あるいは経過報告は、同じ研究者仲間に発表して検討され、広く公開されます。もちろんダメが出る場合もありますが。

 研究対象やテーマを同じくする研究者が集まるのが世に「学会」といわれる組織で、日本文学研究では、それぞれの時代、分野などにさまざまな学会があります。

 第6研究室の志水先生の専門は『古事記』ですが、当然『古事記』の研究者の集まる「古事記学会」に入会して理事を務めています。そして今年度は年に一度、古事記研究者が一堂に集い、研究成果を発表する大会の開催を志水先生が引き受けました。以前2012年に「上代文学会」(『古事記』は上代文学作品です)の大会開催も引き受けたことがあって、湘南校舎で開きましたが、今回は高輪校舎で開くことにしました。

 志水先生指導下の「東海大学古典と民俗学の会」の学生たち、また下鳥先生指導の「古典文学研究会」の学生たちのお手伝いを得て、この週末(9日・10日)に古事記学会の研究者諸氏をお迎えしました。

 

 9日、朝10時にスタッフ(志水先生&hisこてみん'sメンバー+こてけん有志)集合。案内看板を設置したり受付を設営したり、休憩室等の準備をします。12時から理事会が開催されるので、そのお弁当の準備もしなくてはなりません(注文品をうけとり、支払い、配布準備です)。11時半をすぎると理事の先生方がやってきます。案内係、受付係にわかれて学生が配置につき、仕事を始めます。

 かねてより準備した配布物の袋(先生方から届けられた講演資料・研究発表資料・懇親会費領収書・昼食代領収書とお弁当引換券を入れて、事前に参加表明された会員諸氏の名前を書いた紙を封筒に貼り、詰めます)を、いらっしゃった研究者の方々にお渡しするのが受付の仕事です。理事の先生方には別途お弁当も準備してお渡しします(ただ、今回は学食が営業していたので、希望者のみに頒布しました)。

 12時からの理事会も13時前には終了。そのころになると一般会員のみなさんや当日参加の会員外の方々などもいらっしゃって、受付は忙しくなります。

 13時半。開会です。代表理事毛利正守先生の開会の辞に始まり、会場校(東海大学)から文学部長平野葉一先生のごあいさつを得て、公開講演会が始まります。

 最初の御講演は、開催校側から、文学部歴史学科考古学専攻の北條芳隆先生による古墳などの古代のランドマークの形成する古墳時代の世界観についてのおはなしでした。そして休憩をはさんで古事記学会の重鎮、同支社女子大学名誉教授の寺川眞知夫先生による古事記の神話的側面についてのおはなし。講演が終わったのが16時過ぎで、総会をはさみ、17時半からは学食で懇親会が開かれました。

 10日も、朝9時にスタッフ集合。二日目は研究発表会で大学院の学生やベテランの先生方の研究発表が行われました。午前3名、午後3名。昼をはさむので、事前に申し込んだ方にお弁当を配布する仕事があります。

  でも、基本的にみなさん会場の教室に入ったあとは廊下は何もすることなく、五月雨式に参加者がいらっしゃるのを受け付けるくらいで。

 今回、特徴的だったのは、会員で参加表明を事前に行っていただけたのは80名弱で、ビッグネームの研究者の多くは校務(オープンキャンパスの季節です)で不参加ということだったのですが、当日参加や会員外の参加者が思いのほか多く、予想では100人前後とふんでいたのが、両日ともにそれぞれ120~130名くらい参加者を得たことです。都内に加え品川に近い=新幹線・羽田、横浜・千葉・埼玉に近いという地理的条件もあったのでしょう。150人教室を準備していて、ほぼ満席状態で、盛況を感じさせる二日間となりました。というわけで二日間で300人の参加者ということにしておきます。

 午後3時ごろの最後の休憩の終了を機に、片付けに入ります。学部1年生と2年生の学生をお手伝いにして、食べ終えたお弁当の処理、受付の解体、案内看板の撤去などをすばやく完了。最後はエレベータ前に整列で皆さんをお送りして、ミッション・コンプリート。

 その後、代表理事や事務局、ベテランの研究者さんたちから学生へのねぎらいがあっておまつりはおわりました。

 

 学生にお手伝いはしてもらったものの、大会運営のみならず、やっぱりプロの研究者や研究者を目指す方々の講演や研究発表を実際に体験してもらいたいというのが第一に想いとしてあります。仕事のシフトなどもそれを考えて作成しました。とくに3年生はいまゼミ分けの真っ最中。研究して、発表し、その報告について質疑を交わし討議する先生方の姿を見習い、その奥義を盗み取ってほしいなあ、と思っています。

 なので、マイク係やらチン係(タイムキーパー)、メクリ係など、できるだけ3年生(さらには上代文学特講履修生)は会場内にいられるように配置しました。なので会場外は教員が押さえでうろうろすることになります=講演も発表も聴けませんでしたw。